セオサイクルのブログ | BLOG

2020年2月16日

(上尾east店)オイルラインが長すぎる!長さを変えるのどうやるの?

上尾East店

[ご質問頂きました!]
 こんにちは。上尾イースト店の丸山です。本日のブログは文章、写真共に多めになっています。それでもいいよ!という優しい方はぜひ見てください。


 私が以前アップした「FELT VR ADVANCED」の紹介ブログを見たお客様から「オイルラインってどうやって長さを変えるの?」とご質問頂きました。ブログをご覧くださりありがとうございます。

 これがブログでも使用した画像なのですがメーカーから入荷した状態のバイクはシフトワイヤーやオイルラインなどがかなり長めの状態で組み立てされています。特に最近のディスクブレーキモデルのオイルラインは長いような?

 お客様が持ち込まれたバイクのシフトワイヤー、オイルラインは上記の画像のような感じにかなり長めに組まれていました。お話を伺うと「欲しいブランドを扱っているお店が近くに無かったので通信販売で購入、届いたバイクのワイヤーが長すぎて見た目が悪いしハンドルが勝手に右に切れてしまう。」という事で・・・。


 ちょうど入荷してきたバイクを組み立てしていたので説明しながら見てもらうことに。今回のバイクはアルミバイクの傑作「CAAD13 105 DISC」です。箱から出すとワイヤー関係はこんな感じになっています。「いやー、無駄に長いです。」見た目だけではなくハンドル操作の抵抗にもつながるので適性の長さに切りそろえます。


 まずは必要になる機材をご紹介します。左側が「ブリーディングキット」と呼ばれるオイルラインのエア抜き用工具。右側がオイルラインカッターとインサートを圧入する機能が一緒になったシマノさんの工具です。ピンクのボトルはオイルライン内に封入するミネラルオイルが入っています。


 この他に左画像の細長い部品が「コネクトインサート」、丸っこいのが「オリーブ」2つ並んでいるのはインサートに種類があり使用するホースによって異なるからです。インサートとオリーブがセットで必要になるのですが1セットが300円程します。ほとんどの完成車には付属してこないのでお店で用意しています。右側の黄色いブロックはすっごく重要な「ブリーディングスペーサー」と呼ばれるツールです。


 作業を開始する前にブレーキパッドを外します
オイルが付くと交換が必要になるので扱いには注意が必要です。その後に先程のスペーサーを入れてあげます。このスペーサーがブレーキパッド、ブレーキローターが新品の時と同じ厚さになっています。スペーサを使用することで適正なオイル量に合わせるのと同時にピストンの位置を正しい位置に合わせてくれます。
 ちなみに
減ったままのブレーキパッドでブリーディングを行うとオイル量が多くなってしまうので必ずこちらのスペーサーを使用します。パッド交換時もこのスペーサでピストン位置を合わせてから行うと良いですよ。


 ここまできたらSTIレバー側のコンプレッションナットを緩めていきます。オイルをこぼさないように注意しながら緩めていくとホースが外れます。外れたホースの先端にインサートが見えますね。インサートが圧入されたホースを変形させたオリーブで固定しています。オリーブはコンプレッションナットを締め付けることで変形させています。


 オイルラインの長さはハンドルを全開で切ってもつられることがない長さに合わせます。展示車の場合はポジションの変更に対応する為若干長めに組み立てています。どこで切るかを決めたら印をつけて工具にセットします。


 ホースを固定したらオイルラインカッターを装着、青いノブを押し込むとオイルラインがカットされます。この作業をしていると昔見た映画のワンシーンを必ず思い出します。葉巻の先端を切る工具がこんなイメージなんですよ。まぁその映画で切っていたのは葉巻ではなかったのですが・・・。


 きっちりカットできました。ニッパーやカッターナイフでは端面をまっすぐにすることが難しいので専用の工具を使用することをお勧めします。用済みになったホースが寂しそうにしています。


 この工具の優れているところがオイルラインをカットした後にそのままインサートが圧入出来るところです。以前の工具に比べ時間短縮が出来て助かっています。作ってくれた方に感謝です。圧入の際は隙間が無いようしっかりと圧入します。


 新しいオリーブを入れてコンプレッションナットを締めこみます。この時にオイルラインがしっかり奥まで入っている事を確認します。


 オイルラインが接続出来たらレバーにオイルが垂れないよう養生してから上端にあるブリードネジを外し「じょうご」と呼ばれるツールを取り付けます。


 ここまで来て、ようやくブリーディング開始です。下側から注射器を接続しオイルを注入していきます。ある程度エアが出なくなった時点からSTIの角度や車体の角度を変えながらエアーが完全に出てこなくなるまでブレーキレバーを繰り返し握ります。この作業コツをつかむと短時間で出来るようになります



 作業が終了したら注射器をつなげていたブリードニップルをしっかり締め付けます。じょうごも外しレバー側のブリードネジも締め付けます。ブリードニップル内にはオイルが残っているのでこよりなどを作りしっかりと拭き上げます。この後は各部を「IPA」で脱脂します。「IPA」と聞いてビールを思い浮かべた方!私の仲間です。実際はイソプロピルアルコールの略称だそうです。



 ブレーキ周りやレバー周りは当たり前ですがハンドルバーやワイヤー類についたオイルもしっかり脱脂します。ワイヤーを固定するテープがはがれやすくなってしまうので何気に大切な作業です。


 出来上がりはこんな感じになりました。この後バーテープを巻いて完成です。作業前に比べてかなりスマートになったのではないでしょうか?

 今回の作業にかかったパーツ代は前後分で600円程、さらに作業時間がそれなりにかかります。
メーカーさんや輸入元さんから「ワイヤーやオイルラインの長さを合わせるように」という指示は無いのでこの作業をするか、しないかは店舗によってばらつきがあるようです。この辺も踏まえてお店選びは慎重に行いましょう!

 作業をご覧いただいたお客様は「自分では無理です!お任せします!」となりました。ご依頼ありがとうございます。きっちり仕上げさせていただきますね。

 他にも何か不明な点がありましたらご相談ください。皆様のご来店をお待ちしております!
 
 ちなみに今回使用しているメンテナンススタンドはミノウラさんの「RS-1800」ディスクブレーキの作業に無くてはならない必需品です。掃除の際にも便利なのでお勧めの商品です。もちろんスタンドを含め使用した工具はしっかりとクリーニングします。これがとっても大事ですね。
 ここまでお読みいただいたお客様!
   お付き合いありがとうございました!!

上尾east店HP
上尾east店 Facebookページ
上尾east店公式LINEアカウント
(LINE始めました!友達追加の後メッセージをお願いします!)

※お車にてご来店の際は提携コインパーキング「Times」・「SANパーク」をご利用ください。¥2,000以上のお買いもので60分の駐車券を差し上げています。
(お店から上尾駅に向かって右側 1番目が[Times]、2番目が「SANパーク」です。)

バイシクルセオ上尾イースト店 丸山 崇紘

3924