セオサイクル

お客様より修理のオーダーを承りまして、今回はそのときの作業の様子をご紹介させていただきます。

バイクはサードバイクス・フェスクロス。「初めてスポーツバイクを始める人を応援する。」がテーマの、気軽に乗れるクロスバイクです。2021年5月に当店でお買い上げいただき、毎日の通勤に使用していただいております。

こちらが作業前の状態。通勤時間が片道約1時間、距離にすると1ヶ月で少なくとも450km走られていて、トータルで4500km以上走られています。

オーナー様ご自身でもこまめにタイヤに空気を入れていただいていたり、チェーンへの注油・清掃もしていただいていたのですが、チェーンも交換時期になり、雨や雪が続いて各部への汚れの堆積が多くなってきたので、リフレッシュさせていただくことになりました。

よって、今回のメニューは

1. ブレーキワイヤーの交換

2. シフトワイヤーの交換

3. ブレーキパッドの交換

4. チェーンの交換

5. スプロケットのクリーニング

6. リアディレイラーのクリーニング

7. フレームのクリーニング

8. 点検

と、いわゆる " セミオーバーホール " という作業でした。

>> 自転車通勤で使用されているスポーツバイクをクリーニングしてみました。（0:58）

今回の作業の様子をYouTubeにアップロードしました。よろしければそちらもご覧ください。

まずはチェーンの交換ですが、「1年でチェーンって交換することもあるの？」とご質問を受けることがありますが、チェーンの交換時期は3,000km以上走行すると、上図のように測定工具がチェーンの隙間に入ってしまうほど伸びます。

ギアの歯先とチェーンのリンクは、一定の間隔でピッタリ収まるように設計されています。そのため正常な状態だとスムーズに変速できるのと、変速した時の衝撃も少ないのですが、チェーンが伸びるというのは、この一定の間隔がずれてしまうことも指しています。

そのため、チェーンが伸びると主に以下のような症状が発生します。

1. ペダルを漕いでいる時に、ガタンとチェーンが外れそうになる

2. 変速はするけど、ガチャガチャとなって中々変速しない

初期症状は以上のような特徴がありますが、そのまま放っておくとギアの消耗も進み、チェーンを交換しても特定のギアでチェーンが外れそうになる歯飛びが発生したり、チェーンが切れたりします。

なので、以上の症状が発生した場合や、点検でチェーンが伸びていることが判明した場合はチェーンの交換が必要になりますが、一緒に行ったほうがよいのがスプロケットとリアディレイラーのクリーニング。

理由はスプロケットとリアディレイラーのプーリー部分に砂や油を含んだ泥が堆積した状態だと、チェーンがスプロケットやディレイラーを通過する際に砂や泥によって抵抗が生まれ、ペダルを漕ぐのが重たいままになります。さらに砂は硬いのでチェーンとギアの消耗を早める大きな原因となるので、部品の交換頻度が早くなり、ランニングコストがどんどん高くなってきます。

自宅でもクリーナー数種類と作業スペースを用意すればできますが、油を含んで固くなった泥を落とすのは時間も労力もかかって大変なので、お任せしていただくのもよいと思います。