セオサイクルのブログ | BLOG

2023年12月3日

【技術情報】7段変速のカセットスプロケットを8段変速用のホイールで使用する方法

相模原中央店

 

この記事は「7段変速のカセットスプロケットが付いたスポーツバイクが、スポーク折れ等でホイールを交換する必要があるときに対応するホイールが中々見つからなくて困っているときに、ロースペーサーと呼ばれる部品を追加することで8段変速用のホイール(フリーボディ)を代用できた」ときの記録になります。

 

2023年12月現在だと、

・GT アグレッサースポーツリジッド

等のスポーツバイクが条件に該当しています。

 

 

今回の主役は上図の「ロースペーサー」という小さな部品。フリーボディとカセットスプロケットの間に挿し込むことで、きちんとロックリングを締めることができるようになったり、スポークとスプロケットとの直接的な接触を避ける重要な部品ですが、上位グレード以外では出番はほとんどありません。

 

 

シマノ製品の話しをすると、チェーンは8~6段ギアまで、クランクセットは8~7段ギアの互換性があるのですが、ホイールに関しては10~8段まで対応と、シマノ製品以外でもホイールは7段までとなっていますがここに互換性の上で重要な点があり、

 

後ろホイールに付いている「フリーボディ」は7速用と8段以上のモノで幅が違います。つまり、7速を8速以上にする場合はギアやチェーン、シフター以外にもホイールを交換する必要があります。

 

今回の「7段変速スプロケットはそのままに、ホイールを交換」というケースでも実は流通している「7速フリーボディ付きのホイール」の種類は非常に少なくなっています。

 

 

今回も先述のケースと同様で「適合するホイールが少ない」ところからスタートしましたが、GT Bicyclesを取扱う「ライトウェイプロダクツジャパン」から次の方法もありますとこちらの記事をご教示いただき、サイクルデザインの27.5"/8段変速用後ろホイールに厚み1.85mmのロースペーサーを2枚フリーボディに挿入して交換いたしました。

 

 

上図は実際に8速用フリーボディにロースペーサー2枚入れて7速カセットスプロケットを取付けた様子。スポークとスプロケットの間に隙間が生じましたが、ロックリングの取付け自体は通常通りにできました。

 

 

7段変速のカセットスプロケットを8段変速用のホイールに装着後、気になったのが「チェーンラインの変更」により変速がずれていたこと。交換後は再度、変速調整が必要になりますが今回は変速操作も変更前と比較して遜色のない状態に落ち着きました。

 

ただ、先述の「スポークとスプロケットの間に隙間が生じている」ので、ディレイラーハンガーの変形の管理は十分に気をつける必要があります。オーナー様のように「ディレイラーガード」を装着することで、駐輪時に自転車が転倒してディレイラーハンガーが変形するのをある程度防いでくれるので、通勤・通学用途の場合は特にオススメです。

 

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